歯がしみる『知覚過敏』歯科医院ではどんな治療をするの?

前回の記事では、知覚過敏の症状を和らげるためにご自宅でできるセルフケア(知覚過敏用歯磨き粉の使用や、歯磨き方法の見直しなど)についてお話ししました。

しかし、「セルフケアを続けても痛みが改善しない」 「痛みが前より強くなってきた気がする」 「食事のたびにしみるのがストレス…」 という場合は、我慢せずに歯科医院にご相談ください。

今回は、歯科医院で行う専門的な診断と治療法について詳しく解説します。

「キーン」としみる症状は、知覚過敏の典型的な症状ですが、虫歯が神経の近くまで進行している場合にも、非常によく似た痛みが出ることがあります。

もし原因が虫歯だった場合、知覚過敏用の歯磨き粉を使い続けても症状は改善しません。

それどころか、治療しない限り虫歯はどんどん進行し、最終的には神経を抜くような大きな治療が必要になってしまう可能性もあります。

「知覚過敏だから大丈夫」という自己判断は禁物です。

まずは歯科医院で検査を受け、痛みの本当の原因を突き止めることが、歯を守るための第一歩となります。

検査の結果、虫歯ではなく「知覚過敏」であると正しく診断された場合、歯科医院では以下のような専門的な治療を行います。

1. 薬液の塗布(コーティング)

最も手軽に行える治療法です。 

知覚過敏の原因である「むき出しになった象牙質」の表面に、専用のコーティング剤を塗布します。

 この薬液が象牙細管の入り口を塞ぎ、外部からの刺激が神経に伝わるのを防ぎます。

2. 樹脂(レジン)での充填

強すぎる歯磨きや歯ぎしりによって、歯と歯茎の境目が「くさび状」に削れてしまっている場合に行う治療法です。 

その削れてえぐれてしまった部分を、歯科用のプラスチック(レジン)で埋めてしまいます。 

物理的に象牙質が露出している面を覆ってしまうため、しみる症状に対する改善効果は非常に高いです。

3. マウスピース(ナイトガード)の作製

患者様お一人おひとりの歯型に合わせた専用のマウスピース(ナイトガード)を作製し、主に就寝時に装着していただきます。

マウスピースがクッション代わりとなり、睡眠中に歯にかかる過剰な力を和らげ、歯がそれ以上削れたり、欠けたりするのを防ぎます。

歯科医院では、痛みの根本的な原因を診断し、その原因に合わせた適切な治療法をご提案できます。

「このくらいで歯医者さんに行っていいのかな?」とためらわずに、まずはご相談くださいね。

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