抜歯した歯を冷凍保存できる!?

こんにちは!平野歯科医院 藤沢です。

みなさんは「ティースバンク」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?日本語に訳すと「歯の銀行」ですが、ずばり抜歯した自分の歯を預けておくことができるシステムなのです。

例えば、矯正治療の際に抜歯した歯や親知らずなど健康だった歯を冷凍保存しておいて、将来歯を失った際にその保存しておいた歯を代わりに移植することができるのです。ちなみに乳歯は保存できませんし、本人以外の歯を移植することもできません。

冷凍保存は、専門機関に抜歯した歯を送り、独自の保存技術を使った密閉容器に封入し、その後マイナス196度の液体窒素タンクの中で保存します。

冷凍保存しておいた歯を移植する時には、保存しておいた歯を解凍し、加工で形を整え、歯根膜ごと移植します。この歯根膜というのは、歯と歯槽骨の間にある膜で歯根膜が再生してくることで、埋め込んだ歯が安定してきます。自分の歯を埋め込んでいるので、異物感がなく定着しやすく、自分の歯で噛んでいる感覚になるそうです。インプラントのように人工物を入れるわけではないので、使い心地も比較的自然とのことです。無くなった自分の歯が戻ってくるなんてとても嬉しいですよね。

そして、この歯の冷凍保存は、将来他の病気の治療にも使える可能性があるとのことです。歯の歯髄や歯根膜には幹細胞という失われた細胞を再び生み出して補充する能力を持った細胞があります。この幹細胞を使って再生医療の研究が行われています。現段階では、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋ジストロフィーなどの難病の治療に活用が期待されています。また、DNA鑑定にも使用することができます。歯の病気だけでなく、他の病気にも役立つかもしれないなんてびっくりですよね。

ただ、現段階ではどこの歯科医院でもこのシステムを導入しているわけではありません。ですが、時代が進むごとに自分の歯を保存することがスタンダードになっていくかもしれませんね。

歯に関するご相談・ご予約はお電話にて承っております。

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