皆さんは、夏野菜と言えば何を思い浮かべますか?
代表的な夏野菜の1つと言えば、「きゅうり」があります。
きゅうりは、約95%が水分で出来ているため、夏に食べれば水分補給もできる優秀な食材ですよね。
そんなきゅうりの魅力は、なんといっても「ポリポリとした歯ごたえ!」ではないでしょうか?
「歯ごたえ」と言いますが、これはどこで感じているのでしょう。
歯、歯ぐき、歯の神経、あごの骨…?いえいえ、正解は「歯根膜」です。
歯根膜とは、歯とあごの骨をつないでいる非常に薄い膜のことを指します。
その薄さは、なんと約0.3mmだと言われているんですよ。
歯ごたえという感覚は、歯の感覚と、咀嚼筋の感覚から成り立っていると考えられています。
ここで言う歯の感覚と言うのは、「歯根膜」が感じる感覚のことで、虫歯になった時に痛く感じる感覚とはまた別のものです。
歯根膜が担っている役割は大きく3つあります。
①歯を支える歯槽骨と言う顎の骨と歯の間にあり、歯と歯槽骨をしっかりと結びつけています。
②食事の時に様々な方向から加わる力を上手く逃して、過剰な力が歯に加わるのを防いでいます。
③触覚や痛覚といった感覚を使い、噛んだ時の硬さや微妙な感触、刺激を感知して脳に伝えています。
歯ごたえは、③の役割というわけですね。
この感覚はとても繊細かつ正確なもので、その精度は髪の毛一本でもすぐにわかる程です。揚げ物のサクッとした食感や、お煎餅のパリッという食感を楽しめるのもこの歯根膜のおかげです。
歯根膜は歯が抜けると一緒にとれてしまうため、もう二度と戻ることはありません。
もし歯が全て無くなり、総入れ歯になった場合はどうなるのでしょうか。
この場合は、入れ歯を支える歯肉のセンサーが、歯根膜の代わりをすると考えられていますが、感度が非常に悪くなるようです。
つまり、一度でも歯根膜を失ってしまうと、きゅうりのポリポリとした食感も、天ぷらのサクッとした食感も、お煎餅のパリッという食感も一緒に失われてしまうのです。
そんな大事な歯根膜を失わないために、口腔内のケアを怠らないようにしましょう!
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