前回の記事では、「キーン」としみる知覚過敏が、強すぎる歯磨きや歯ぎしり、酸の多い食生活によって、歯の神経につながる「象牙質)」がむき出しになってしまうことで起こる、とお話ししました。
原因が分かっても、今まさに感じている「しみる痛み」はつらいものです。
今回は、症状が比較的軽い場合に、ご自宅でできる対処法を3つのポイントに分けてご紹介します。

1. 「知覚過敏用」の歯磨き粉を使ってみる
まず試していただきたいのが、ドラッグストアなどで市販されている「知覚過敏用」や「しみるのを防ぐ」と書かれた歯磨き粉の使用です。
これらの歯磨き粉には、「硝酸カリウム」や「乳酸アルミニウム」といった薬用成分が配合されています。
「硝酸カリウム」は、刺激が神経に伝わるのをブロックする働きがあります。
「乳酸アルミニウム」は、むき出しになった象牙質の入り口を塞いで、刺激が入り込むのを防ぎます。
これらの歯磨き粉は、毎日継続して使用することで、徐々に症状を和らげていく効果が期待できます。
2. 「歯磨き方法」を根本から見直す
知覚過敏の最大の原因とも言えるのが、「強すぎる歯磨き」です。
痛みを改善し、これ以上歯や歯茎を傷つけないために、歯磨きの方法を根本から見直しましょう。
まずは、歯ブラシを「鉛筆持ち」で持ってみてください。
それだけで余計な力が入りにくくなります。
ゴシゴシと音を立てる必要はありません。
歯ブラシの毛先が軽く歯の表面に触れる程度の優しい力で、小刻みに動かすのが基本です。
3. 「酸」との付き合い方を変える
お酢ドリンク、柑橘類、炭酸飲料、スポーツドリンクなど、酸の多い飲食物を口にした後は、少し注意が必要です。
酸にさらされた直後の歯の表面(エナメル質)は、一時的に柔らかく、傷つきやすい状態になっています。
そのタイミングで歯磨きをしてしまうと、歯を削り取ってしまうことになりかねません。
酸の多いものを口にしたら、まずは水で口をゆすぐことを習慣にしましょう。
歯磨きは、食後30分ほど時間を置いてから行うのが理想です。
今回ご紹介したセルフケアを続けても痛みが改善しない場合は、ぜひお気軽に歯科医院に相談してくださいね。
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