どの歯が痛いのかを言い当てるのは難しい?

「なんか歯が痛いけど、この辺が痛いような…いや、やっぱりこの辺かな?」と歯痛の場所をぴったりと当てることは難しいと言われています。

それは一体なぜなのでしょうか?

歯の痛みの原因として考えられるのは、虫歯、歯周病、歯の根の先の炎症、歯の破折などが挙げられます。

その他にも、何もしていないのに痛む、冷たいものがしみる、温かいものを口の中に入れるとで痛む、歯磨きすると痛む、噛むと痛む、などその痛みの種類も様々あります。

特に、進行した虫歯では我慢も出来ないほどの激しい痛みを生じ、どの歯が痛いのかが分からなくなることがあります。

歯の痛みは放散性が強いと言われているので、痛みの原因となっている歯の周囲まで痛みを感じることがあるというわけですね。

前歯なら、どの歯に違和感があるのか、痛みがあるのかを、あまり間違えることなく言い当てることが出来ても、奥歯に行けば行くほど正解率は低くなるというデータがあります。

非常に興味深い実験をしているという記事を発見しました。

それは歯を刺激して、どの歯に触れたかを回答するという実験です。

その実験によると、3~5本の範囲内の歯を回答して、とくに1歯前方の歯と間違えやすく、7番目の歯が痛みの原因なのにも関わらず、6番目の歯が痛いと勘違いする人のほうが正解者よりも多くなるという結果が出ました。

個人差はありますが、上下の歯痛の区別さえできなくなることもあります。

下の奥歯に虫歯があり、それが痛みの原因となっている場合でも、上の奥歯が痛いと錯覚を起こすこと、またその逆も珍しくありません。

なぜこのような錯覚を起こしてしまうのでしょうか?

それは、同じ神経から伝達される信号を脳自身が正確に判別できないためです。

上の歯の痛みは、顔面の知覚を脳に伝える脳神経である、三叉神経の2番目の枝(上顎神経)によって伝えられます。また、下の歯の痛みは三叉神経の3番目の枝(下顎神経)によって伝えられます。

枝は分かれていますが、元々は同じ「三叉神経」により痛みを感じているため、私たちがどの歯が痛いか言い当てるのが難しいのは当然だと言えます。

歯に痛みや違和感を感じたら、自己判断せず、受診をおすすめいたします。


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