そんなに昔から?日本の歯科治療の歴史
現代の日本では、コンビニと同じくらい多いと言われる歯科医院。
歯科の歴史はどのように始まって今日に至っているのでしょうか?
本日はその歴史を遡ってみたいと思います。
日本での歯科医療の歴史は奈良時代まで遡ります。
701年の大宝律令によると「耳目口歯科」という記述があります。
その頃に、中国から歯磨きの風習が伝わり、楊枝(歯木)も持ち込まれたそうです。
実は、歯磨きの発祥はインドで、お釈迦様が弟子たちに戒律の一つとして、口の中をきれいにすることを指導したそうです。
そのため、歯磨きも仏教とともに中国から日本へやってきました。
平安時代になると、「口歯科」となりました。
その後、口中医が誕生し、公家、武家などの上流階級を対象に、歯、歯肉、舌、喉などの治療をしていました。
戦国時代になると、西洋から南蛮医学が到来しました。
来日したヨーロッパ人は歯の専門家というよりは医師で、麻酔のようなものを使って抜歯していたようです。
江戸時代になると、口中医だけでなく、入れ歯づくりを本業にする入れ歯師や抜歯を行う歯抜き師と呼ばれる人が誕生しました。
また、この頃から大衆の間でも房楊枝が考案され、歯磨き粉が売り出されたことで、歯磨きの習慣が普及していきました。
房楊枝とは木の枝の先を細かく割いてブラシ状にしたものです。
この房楊枝と歯磨き粉の普及により、この頃から、歯が白いと垢抜けているという価値観も生まれてきたようです。
1853年の開国とともに、アメリカの近代医学や歯科医学が日本に入ってきて、その影響を大きく受けることになります。
この頃に、馬や豚の毛で作られた歯ブラシも日本に入ってきましたが、日本ではあまり流行せず、房楊枝が主流だったようです。
明治なると、医制が制定されましたが、当時は、医師と歯科医師の区別はありませんでした。
1875年(明治8年)には小幡英之助が医術開業試験を受け、「歯科」という言葉が登場し、日本初の歯科専門医になりました。
歯科医師の養成もこの頃から始まり、現在の歯科医学に繋がっていきます。
昔は上流階級の特権だった歯科治療も、現在では一般の人々に深く浸透しているのが本当にありがたいですよね。
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